
2019年7月7日
渋谷おとなりサンデー 2019年6月2日のレポート<前半>〜”繋がり連鎖”が、あちこちで発生中〜
2017年に始まった「渋谷おとなりサンデー」も、今年で開催3回目。昨年に引き続き、企画のレポートを担当させていただく楢侑子です。
ありがたいことに、開催日直前に一気に企画の数が増え、取材チームは前日夕方まで地図のチェックやルート検索に余念がありませんでしたよ!
さて、おとなりサンデーを巡っていると、「区報で読みました」「フラッグ、見たことあります」という嬉しい声や、「去年楽しかったから、今年も参加しました!」という常連さんの姿も。徐々にカルチャーとして定着してきた感じがありました。
初めての方のためにも、改めて説明を。
この取り組みは、フランス・パリの「隣人祭り」がヒントになっています。
高齢者の孤独死をきっかけに、アパートの住人たちが隣人同士のつながりをもとうと、持ち寄りパーティーを始めました。
そこから、アパート内に挨拶が生まれ、日常的な交流へと繋がっていったそうです。今では、ヨーロッパ中に広まる一大ムーブメントに。
渋谷では、区を上げて2017年に同様の取り組みがスタート。渋谷区民や渋谷で働く人、遊びにくる人々が自分たちの手で「交流のきっかけ」をつくり、地域コミュニティの活性化に取り組んでいるのです。
今年集まった企画は、全部で96個です。
毎年、渋谷区内のうち、ひとつのエリアをフューチャーする形でメイン会場が設定されていますが、今年は「千駄ヶ谷」がその対象エリアでした。
どんな様子だったかと言いますと…
10:00【千駄ヶ谷/鳩の森神社】
開会式・区長の開会宣言

緑が濃く生い茂る神社の中、イベントTシャツを着たまちの人たちや、テントの姿が。
特別大掛かりなしつらえはないものの、まちの人たちの談笑があちこちで行われているような、素敵な雰囲気です。
時間ぴったりに、開会式がスタート。
オープニングを華々しく飾ったのは、チアリーダーの「サンロッカーズガールズ」によるパフォーマンス。

エネルギッシュなパフォーマンスに、大人も子どもも、ぐいぐい引き込まれます。一見「神社×チアリーダー!?」という思いがなくもなかったですが 笑 チアリーディングって、人が人に元気や勇気をダイレクトに与えることができる、素晴らしいパフォーマンスなのですね。
司会を務めた渋谷おとなりサンデー事務局の青木優莉さんが
「チアリーダーに囲まれるって、嬉しいものですね…」と、少々照れながらの登場で、開会式を進行。

開会宣言は、もちろん長谷部健渋谷区長が登場します。

毎年恒例になりつつありますが、今年も、
「おとなり・サンデー!!!」
の掛け声に合わせて、元気よくキックオフしました!

10:30【千駄ヶ谷エリア】
せんだがやガレージセール
さて、千駄ヶ谷エリアでは、住民さんによる大小様々な企画が目白押しとのことで、中でも楽しみだった、ガレージセール。
お話を伺ったのは、松山博美さんと、仲間たちです。

宝物探しみたいでウキウキします
「2年前に海外から越してきたのですが、まちに知り合いが欲しくて、鳩の森神社のボランティアに参加したのです。そこで、すでにガレージセールを開催されていた志水さんに出会って。同じ日にあちこちで開催したら、もっと盛り上がるかも!と、スタートしました。」
この日、松山さんのお宅のガレージには、ご近所さん3組でお店をオープン。
また、まちの7箇所で開催されていました。



「ぎゃらりぃたねから」の様子
お客さんは、まちを回遊しながらガレージをのぞき、商品を片手に、あれやこれやと話が弾んでいます。ゆるゆると、小さなギフトをやりとりするような雰囲気がとても素敵でした!
11:00【路地裏】
千駄ヶ谷二丁目町会芋煮会
こちらは、毎年開催されているという「芋煮」の企画。山形より料理人を招いての、本格派。

「今は、芋煮をふるまうスタイルでやっているけど、近所の人が料理を持ち寄るような場所にしたいんです」と、町会長の新井清一さん。

向かって左が、新井清一さんです
炊きたてのお赤飯をふるまうお母さんや、今年初のたこ焼きがお目見えするなど、少しずつその形になってきているようでした。



新聞紙の下に隠れているのは、特大のおいなりさん!?

芋煮が出来上がった頃になると、どこからともなく人がやって来て、路地裏にしつらえたテーブルが埋まっていきます。

ずっとここに居座りたいほどに、あたたかいムードでしたが、次へと急ぎます!
11:40【ファイヤー通り】
STARBACKS COFFEE 「“おとなり福笑い” おとなりさんとecoな福笑いで遊ぼう!」
渋谷おとなりサンデーは、住民のみならず、企業やお店の参加も積極的に応援しています。ということで、今年は3つの店舗で企画を開催していたスターバックスコーヒーの渋谷ファイヤー通り店へおじゃましました。


渋谷と原宿を繋ぐ、横断歩道前に位置する店舗
大人も、子どもも、グリーンエプロンのお姉さんも、アーティストのお兄さんも、テラスをはみ出して盛り上がっています。
「地域の人同士の繋がりや交流、エコの観点から、牛乳パックを再利用して福笑いをつくっています。」

「むむ!?福笑い?」

なんだか、とってもお洒落な仕上がりです。渋谷で福笑いをやると、こうなるのか…と感心していたら、イラストレーターのタロアウトさんの姿も!
福笑いのアートディレクションでご参加くださっているとのこと。

向かって右が、タロアウトさん
子どもさんおふたりに浴衣を着せて参加の親御さんにお話を伺うと、
「去年、参加して楽しかったから、子どもと一緒にあちこち回っているんです。最後は地元の千駄ヶ谷エリアに帰って、そのままごはん食べに行く予定です。」

これを聞いて、「渋谷区を行脚しながら、おとなりサンデーを楽しまれている方がいるなんて!さらにリピーター!」と、とても嬉しくなりました。
窓際席で、コーヒーを飲みながら我が子を見守る親御さんの姿もいて
「ふだん見たことのない子どもの顔が見られました」などの声も。
住んでいる地区を少しだけ飛び出して、子供さんが、両親や先生以外の大人と触れ合う時間を持つのは、双方にとって、とっても良い時間になるようでした。
12:30【渋谷キャスト】
「ロングテーブルランチ」
次に向かったのは、渋谷キャストの広場。

こちらも毎年恒例になりつつある、ロングテーブルランチ。ごはんは持ち寄りスタイルで、東急電鉄の担当者、近隣住民、近くの商業施設「cocoti SHIBUYA」の担当者などが総出でイベントを盛り上げ、通りがかりの方も立ち寄っていきます。この地域のハブとしての存在感を放っていました。


来場者のポラロイド撮影で、渋谷MAPを作成中

ご近所の方の声も自然に集まります
そんな中、中学生や高校生の姿も発見!

渋谷キャストのすぐ裏にある渋谷教育学園渋谷中学校・高等学校の社会科研究会に所属するみなさんと、教頭先生たちです。
「いつも、登下校時はご迷惑をおかけしていることもあって、お手伝いしに来ました。」
当たり前の話ですが、全校生徒数百人が、いっときに渋谷の道路を通行することになるので、まぁ、色々あって、しかるべしという気もします。
人と人の間柄というのは、「一度挨拶をする」「顔見知りになる」それだけで、ネガティブな感情が落ち着くこともあるものです。今日がその日になればいいなと、思いながら、子どもたちの笑顔に癒されました。

…私などは、ふだんの生活の中で中高生とお喋りする機会もないですし、中高生の頃に渋谷に来ることもなかったので(奈良出身です)、「どんなこと考えているのかな〜」って、新鮮なんですよね。
イントロクイズで、世代・職種を越えて盛り上がり中のみなさんの姿も。


盛り上がりは、まだまだ続くようでした!